黄金班活動報告「歩く 出会う あの街で」①

 野毛山、大岡川周辺エリアから伊勢佐木町までの一帯ほかで開催された「横浜 あの街を歩く -『草枕』のように、手書きの地図で」において、12月4日(土)に鈴木ゼミが企画したまち歩きイベント「歩く 出会う あの街で」を黄金町・日ノ出町エリアで行いました。

 このツアーでは、NPO法人黄金町エリアマネジメントセンターの事務局長である山野真悟さんと当研究室の鈴木伸治先生、「横浜 あの街を歩く」参加アーティストの皆様、このエリアの中心となっているまちのプレイヤーの方々にお話をしていただきました。

 この記事では、特に大岡川沿いの賑わいを創出したプレイヤーのお三方に伺ったお話を紹介していきます。

1.日ノ出町フードホール 小出好美さん

 最初に、日ノ出町フードホールに出店しているFarmDeli&Barの小出好美さんにお話をしていただきました。アートによるまちづくりでより魅力的になったこのエリアに商業施設をつくろうということで完成したのが、日ノ出町フードホールです。それぞれのお店が専門性を持っているため、複数のお店で主食、副菜、お酒を別々に購入することができ、日本では珍しいフードコートの形態として注目を集めています。フードホールは2022年3月に開業二周年を迎えますが、一時はコロナ禍によって地元の方の認知の低さや運営状況のひっ迫が課題となっていました。しかし、最近では地域にもこのフードホールの存在が浸透しつつあり、魅力発信の場となっています。

2.Tinys 松倉和可さん

 2人目に、YADOKARI株式会社の松倉和可さんにTinysについてお聞きしました。Tinysは車輪がついたタイニーハウスの室内に宿泊できるホステルとカフェ利用、水上アクテビティができる複合施設です。現在、カフェ営業は休止中ですが、カフェスペースはマルシェやトークセッション、ワークショップの会場として利用されているそうです。高架下というあまり活用されていなかったスペースに価値を与えることで、まちの良さを発信していく拠点となっています。2022年3月にリニューアルを控えており、ホステル内部の改修やカフェメニューの一新が行われるそうです。 

3.横浜SUP倶楽部 柿澤寛さん

 最後は、横浜SUP倶楽部の代表である柿澤寛さんです。横浜SUP倶楽部さんは、横浜で「毎日SUPできる環境づくり」をテーマに活動しており、スクールやクルージング、レースやイベントなどを通してSUPの楽しさを伝えています。また、川の上で水上アクテビティをする上で安全面は最優先事項であるため、その点の配慮が徹底されています。また、町内会や商店会といった地域とのかかわりや、もともと住んでいた住民の方々との意見交流の場を大切にしているそうです。また、ゴミ拾いやイベントへの参加を通して、地元の方々とかかわったり地域とのつながりを深めたりすることで、地域の一員として受け入れられる存在となっています。 

 今回お話を伺って、このエリアでは地域とのつながりに重点を置き、その形成されたつながりがまちの魅力になっているということが分かりました。それぞれが、住民の方々に顔を覚えてもらうといった小さなことから始まり、徐々に地域の信頼を得ていくことで、現在では魅力発信において、このエリアをけん引する存在となっていると改めて認識することができました。 

鈴木伸治 研究室

横浜市立大学 | 都市デザイン Yokohama City University Urban Design Laboratory