ゼミ合宿 札幌編

 今年は、コロナ禍以降初めてのゼミ合宿を行いました。

 場所は私たちゼミ生の希望により札幌と小樽へ、2泊3日(9/5~7)の日程で、1日目札幌、2日目小樽、3日目自由行動というスケジュールについてもゼミ生が決定する、ゼミ生が計画の段階から主体的に動くゼミ合宿となりました。

 こちらの記事では、1日目の札幌で学んだことについてまとめていきます。

 札幌では、札幌駅前通まちづくり株式会社、北海学園大学の池ノ上先生からお話を伺い、札幌のまちあるきを行いました。


1. 札幌駅前通まちづくり株式会社

 札幌駅前通まちづくり株式会社さんは札幌駅前通地区を魅力ある都心の顔と育てるため、継続的かつ恒常的に賑わいのある地域づくりを進めている会社です。周辺地区と連携し、まちづくり効果の波及、都心全体の活性化への貢献、街並みの形成の促進や町に必要な施設の誘致などハードとソフトにわたって「まちづくり」を行っています。こちらの会社の方から、札幌中心部のまちづくりの歴史的背景や現在の課題、取り組んでいることを教えていただきました。

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札幌は明治期に屯田兵により開拓された都市であり、札幌市成立からは100年ほどという比較的歴史が浅い都市ですが、その分しっかりとした都市計画が成されていることが特徴の一つです。また、札幌オリンピックを契機に新たな開発がされ、現在はそれらの建物の建て替えなど更新の時期に差し掛かっています。

そこで、更新と同時に、駅前の整理を行う流れになり、地下通りが作られることが検討され、単なる通路ではなく賑わいづくりの拠点(=チ・カ・ホ)を作るということで、市民からの合意を得ました。

その際、管理や賑わいづくりのために沿道からの出資で札幌駅前通まちづくり株式会社が誕生しました。現在、チ・カ・ホにある広場の稼働率は9割ほどで、年間約2000ものイベントが行われています。

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 実際に見学もさせていただきましたが、人通りが多く、イベントの準備が行われるなど大変にぎわっている様子を感じることができました。横浜にも似たような場所はないか、また作るならどこに作るのが適切なのかを考えていきたいです。


2. まちあるきin札幌

『初めて学ぶ 都市計画』を参考にし、札幌のまちあるきを行いました。

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① 大通公園

私たちが訪れた日(9/5)は、9/8から始まる2023札幌オータムフェストの準備真っただ中でした。屋台がたくさん並び、活気があふれる予感がしました。

② 創成川

札幌開拓の中心となったのが、ここ創成川です。歴史的な場所であるだけでなく、再開発が盛んにおこなわれていることが分かりました。

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 札幌に初めて訪れるという人も多く、大変楽しく、また、刺激となりました。


3.北海学園大学 池ノ上先生

 北海学園大学の池ノ上先生からは、二日目に訪れる小樽についてのレクチャーを行っていただきました。

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かつて札幌の心臓と呼ばれた小樽は、江戸時代から近現代のミナト・マチが分かる都市です。

① 江戸時代

アイヌの人々と松前藩の交易の拠点となったのが、小樽(オタルナイ)の運上屋です。また、江戸時代の開拓に欠かせない寺社仏閣(水天宮)もあります。

② 明治時代

明治の初期は札幌<小樽であったため、北のウォール街と呼ばれるほど銀行が並んでいました。また、北海道の炭鉱開拓に伴い、国鉄手宮線、小樽港などの交通網が発展していきました。

③ 近現代

産業が移り変わっていくと、小樽の役割が徐々に失われ、小樽運河を埋め立てて都市計画道路を作るという計画が浮上しますが、これに対し市民運動が行われるなど、文化を保存する潮流が生まれました。また、若い人が活躍できる場づくりにも積極的に取り組んでいます。

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 東京のミナトである横浜と、札幌のミナトである小樽ということで、横浜と似ている部分が多くあるように感じました。ですが、なんとなく似ているなぁ、だけにとどまらず、より詳しく相違点を見つけることで、小樽について、横浜について、より深く知りたいと思い、刺激となりました。


 最後になりましたが、お忙しい中、貴重なお時間をいただき、レクチャーをしてくださった札幌駅前通まちづくり株式会社の皆様、並びに北海学園大学池ノ上先生に、心より御礼申し上げます。


執筆者:杉田 遥

鈴木伸治 研究室

横浜市立大学 | 都市デザイン Yokohama City University Urban Design Laboratory